金田一少年の事件簿 ゲームの館殺人事件 感想 [漫画]

新刊が出ていたので購入。
旧シリーズから、全部購入するほどのファンである。
連載分は手放してしまったので、手元には連載終了後の物しか残っていないが。
今は短期集中連載のスタイルなのか、1年に一冊、もしくは
上下巻で2冊セットで出ている。
不定期なため、偶然コンビニで発見して購入、というパターンが多い。
連載が終わってしまってからでも読めるのはファンとして嬉しいし、
推理漫画としては、ムリに週間連載するより、スタイルとして合ってる気もする。

で、この最新巻だが、
正直面白くなかった。

絵柄が変わったのはここ最近ずっとなので慣れているが、
どうにも、ヘタクソになったように感じる。
好みの問題だと思うが、連載版の終わりの頃のほうが
絵柄的には魅力があったと思う。
今のは、可愛く描けてるとは思うが、
頑張ったところで「金田一少年」でキャラ萌え、とか
よほどのニュージェネレーション(連載当時の印象が無い、という意味で)
でもないと、ありえないと思うのだが。
一時の、過剰に腐女子臭い絵柄よりマシと言えなくも無いが。


ここからはネタバレ含む感想。


まず、冒頭の遊園地描写がまったくのムダ。
本筋に絡む伏線が3D映画くらいなのに
ダラダラと描き、キャラも金田一・みゆき以外は顔見せだけで、その後登場なし。
上下巻ならまだしも、1巻分しかない尺で、これはない。
そもそも、遊園地&バスで拉致、という流れが
ほとんど本編で活きてないのが、チグハグな印象である。
また、そこでの金田一・みゆきのからみが幼稚というか、適当というか。
凶悪事件の後にちょっと挿入される、という
普段の使用法なら、気にならないどころか、ほのぼのとしていて
一服の清涼剤となるのだが
物語冒頭でやられると、なんだこれ、であるw
つまらないラブコメなら他でやってくんない?と言いたい。

メインの事件も、恐怖心を煽られないし、
延々とくだらないクイズやってる印象。
カイジやライヤーゲームのような、
「特殊ゲームモノ」的な、そういうノリを導入しようとして失敗した、みたいな。
キャラも少なく、それぞれに魅力が感じられない。
なんか出てきて、なんか死んだな、という感じ。
最初に、不気味な仮面かぶらされたシーンだけは良かったのだが…

というか、ずっと引っ張ってた、被害者母が、金田一を先に行かせた理由が
最後まであやふやで、説明が、謎解きモードの金田一の

「内容は解らないけど、志保を安心させて最後に残るほうが得な映像を見せたんだろうな」

の一言って何だよ、と。
「内容は解らないけど」って、そこをしっかり見せろよ、と。
今までに、金田一でこんな適当な謎解きがあっただろうか。
そもそも、志保には、視差のワナによって、
ずっと一人だけ超難問が見えていた、という設定なんだから、
この場合、一体どんな映像を見ていたなら納得行くのだろうか。
「次の問題答えたら死にますよ」、とかだったら
譲ったって金田一が行くワケないし。
(行くと考えるほうがおかしい)
ニヤっと笑った描写や、死体の足しか描かなかった点から、
死亡偽装のトリックを予定していたが、路線変更があったのでは、と疑いたくなる。

最大の見せ場である殺人ギミックが
3Dメガネの視差、エチケットの意味、と
これも冴えない。
毒入りカップラーメンのくだりとか必要なのか?と。

最後に描かれた犯人の動機とお涙頂戴のシーンも
水商売の女ってこんな感じだろ、みたいな
安い話で、最後に病死されてもああそうですか、という話。
動機=金、という、珍しくストレートな話だったことも
普段の怨恨話と違い、重みが感じられなかった原因だろう。

また、バスの運転手=美佳だったワケだが、
いくら顔見てないといっても、運転手が女なら気づくのではないだろうか。
一ちゃんの、普段の鋭い観察眼はどうしたよ、と煽りたくもなる。

とにかく、全体的に、どうにも適当というか、
いきあたりばったりな印象を受けてしまった。
シリーズファンとしては、期待はずれ、
渾身のクソ回だったと言わざるを得ない出来で残念だが、
長くやっていればハズレも当然あるだろう。
次回作に期待したいところ。

こんな時、すぐに次回の話の始まる通常連載なら
すぐ気持ちを切り替えられるのだが、次が来年と思うと先が長いw

ちなみに、密室に閉じ込められて、数字をコンパネに入力して脱出、という設定が
今深夜でやってる実写版コナンと丸かぶりなのが謎。
時期的にコナンがパクったのだろうか。
ノリもなんか金田一っぽいしw


金田一少年の事件簿 ゲームの館殺人事件 (少年マガジンコミックス)

金田一少年の事件簿 ゲームの館殺人事件 (少年マガジンコミックス)

  • 作者: さとう ふみや
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/08/17
  • メディア: コミック



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コメント 3

モルリ

まさに同感!
今回はサイテーだった。

新シリーズになって絵がイマイチになりつつあるけど
旧シリーズからのファンなので、ずっと買ってる身としてはガッカリだ。
今回はホントひどいもんだ!

錬金術もトリックがなんだかむりやりだなーとは思ったが、それよりヒドイな。トリックもつまらんし、動機もイミフだし。

ほんと、プロローグもまったく意味ないね。
一巻なら長さ的にも最初の吸血鬼ぐらい頑張ってもらいたい。
新シリーズだと、吸血鬼、オペラ座、獄門塾、剣持のオッサン、なんかがよかったけど、新シリーズになってからなーんとなく一回おきくらいに、ダメ作品が入ってきてるようだな。でも錬金術の後にコレかぁ~~

次は期待してっぞ。がんばってくれ!!





by モルリ (2011-08-20 01:44) 

TYトン吉

amazonのレビューでも厳し目の評価ですね
この不評を受けて、次回は面白くなってると良いんだけど
と思います
by TYトン吉 (2011-08-22 00:20) 

キヨ

同じく!!金田一さくひんは、犯人の動機などに同情するのが多かったのが・・・最近のは、なんかコナンっぽくなってきたね。確かに、トリックもお粗末で一の推理も「こんなかんじなんじゃないかなぁ?」的なんが増えているような笑まぁコナンよりはそれでも面白いね
by キヨ (2011-09-06 18:56) 

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